平安神宮の東、通り沿いに現れる、こんもりと茂った緑の木立。鳥居をくぐると、周りの喧騒から切り離された静かな空間が広がっています。拝殿の前には、狛犬ならぬ狛ウサギの姿が。おみくじにもウサギ、絵馬にもウサギ、と、境内の至るところで、愛らしいウサギの姿に出会えます。
ウサギは、岡崎神社の神の使い。子孫繁栄、安産、夫婦和合のシンボルです。
そんなウサギたちに見守られて行われる、岡崎神社の結婚式をご紹介します。
岡崎神社 本田 享史さん
岡崎神社の由緒についてお聞かせください。
岡崎神社の起こりは、794年、平安京遷都に遡ります。平安京の四方に建てられた、都を守るための4つの社。そのひとつが岡崎神社です。都の東に位置していたことから「東天王(ひがしてんのう)」とも呼ばれておりました。
境内には、ウサギの姿をしたものが多く見られますね。
方位を干支で現すと、東は「卯」、つまり「ウサギ」の方角。また、かつてこの周辺には多くの野ウサギが生息していたことから、当社の神の使いは、ウサギの姿をとっております。
ウサギは子孫繁栄の象徴。ご祭神の三女五男八柱御子神(やはしらのみこがみ)が、たくさんの子宝に恵まれた神であることからも、当社は子授けと安産の神として信仰を集めてきました。日本全国、遠くは海外からも、「お子様を授かりたい」というお気持ちを持って訪れる方がいらっしゃいます。
古来より、日本人は自然の中に神を見出し、森羅万象には神の力が関わっていると信じてきました。生活の糧を得るため、神の力をお貸しいただきたいと、心からお祈りする。祈りの力が、私たちの生活の礎を築いてきたのです。
神職の仕事は、皆さまと神様との仲を取り持つことです。当社には、「お子さまを授かりたい」と、真摯な願いを抱いて来られる方もいらっしゃいます。私たちは、それを何とか叶えたいと、精一杯の気持ちを持ってご奉仕しています。
岡崎神社の結婚式についてお聞かせください。
岡崎神社では、鎮守の森に囲まれた社の中、清々しい気持ちでご婚儀を挙げていただきます。そこには、古来より受け継がれてきた、日本のご婚儀の姿があると感じています。
ご婚儀をなさるおふたりには、より一層、お栄えいただきたい。また、同じくらい大切なのは、おふたりを通して、両家が親族として固い絆を結ぶことです。当社では、おふたりのご婚儀は、ご両家のご婚儀でもあると考えています。
おふたりが大神様の良縁の実りをあやかり、固い絆で結ばれますよう。ひとえに祈り、ご婚儀のご奉仕を重ねております。